北アルプス明神岳主稜から前穂高岳

【日程】2017/08/12-14

【メンバー】村上靜志 (単独)

【スケジュール】
1日目=新宿駅12:00---上高地小梨平キャンプ場18:00 (ツエルト泊)
2日目=小梨平キャンプ場6:30---岳沢登山道7番標識7:20---明神岳5峰南西台地11:00---5峰12:40---4峰と5峰のコル13:15(ツエルト泊) 
3日目=コル5:05---4峰5:35---2峰6:00---明神岳1峰7:10---前穂高岳9:20---上高地14:50 


【レポート】
1日目:会の夏合宿打ち上げに参加。梓川の土手にシートを敷いて先に到着されていた高田さんと飲始め。暗くなって北原さんパーティや宇田川さんが到着し打ち上げを始めました。翌日の行動があるので22時30分で終了。  当初、個人的には11日・12日で山行を行い12日下山して打ち上げに参加のつもりでしたが天候がいまいちで13日・14日に変更をしました。

2日目:雲は多めですが何となく天候は安定している様でキャンプ場を6時30分出発。岳沢の登山道を登って行くと7番という標識があり、ここが登り口になります。踏み跡があり以前はロープが張ってありましたが今は大きな倒木が道をふさいでいました。今回の計画は黒稜山岳会に入会して最初の計画でした。誘っていただいた計画もありましたが日程が合わせられず、そこで個人的に明神岳を計画しましたが計画提案が遅くなり同行していただける方を見つける事が出来ず単独での行動となりました。コースは以前歩いたことはあるのですが、その時は途中雨になったりで天候の良い時にもう一度歩いてみたいと思ったからですが上高地からのアプローチが短いのも魅力です。 しかし急登を1.000mばかり登らないと最初のテン場に着かないことと途中に水場が無いので水も担がなければなりません。また5峰からのルートはロープが必要な登りはありませんが下らなければならない壁があり懸垂用に40m以上のロープは必要になってきますので寝る道具と水とロープで多少荷物が多くなるのであまり人気がないのでしょうか。しかし静かで穂高を間近に眺めながら歩くのはなかなか素晴らしいです。  7番標識から樹林の中の踏み跡を登って行きますが雲が多いおかげで気温もあまり上がらず急登の割には大汗をかくようなことはありませんでした。稜線に近づくとトラロープと古いロープが続きコースを間違えることはありませんが手足を使って登らなければなりません。2.480mあたりにある最初のテン場に11時前くらいに着きましたのでここでお昼としました。GW以来登りのきつい山に出かけていなかたので途中休憩ばかりしていましたがやっと稜線に乗れたという感じです。タップリ休憩して5峰の南西にある台地を通過しました。ここにはテン場が5~6ヶ所あり4・5人用のテントも張れます。その後は何処も小さなスペースしかありません。  台地の上のガレ場を登って岩場を登ると2.570mの5峰頂上で古いピッケルが刺してあり標識の変わりをしていました。空はグレーですが真下に梓川が流れ、焼岳、乗鞍、御岳が一望出来ます。振り返って明神の稜線を見ますがガスの中で今日はどうも晴れ渡る気配は無さそうです。

5峰山頂のピッケル 

5峰と4峰のコルに下ると大きな石の下に一張り分のスペースが有りました。時間は13時15分でしたがガスで先は見えず今までの登りの疲れもあり早いのですがここにツエルトを張る事にしました。計画では15時くらいまでは進むつもりでしたが老体ではこれくらいがちょうど良いようです。夕刻が近づきあたりはガスの中になってしまい風も強くなってきました。岩陰のおかげで多少は風を防ぐことは出来ます。18時頃若い二人連れが来ましたが次のテン場まで行くようで今回このコースであったのはこの2人だけでした。  夜が更けるとますます風が強くなりバタバタとツエルトがうるさくなかなか眠る事が出来ませんでした。  

3日目:3時半くらいに目が覚めました。自然と寝てしまったようです。コーヒーを沸かし朝食を食べると朝日が昇ってきました。昨日よりは良い天候のようで昨日の遅れを取り戻すために5時過ぎに出発しました。未だ寒くはありますが視界は良好です。  4峰に登り3峰は山頂をパスして岳沢側を巻きながら進みます。基本的には踏み跡はありますがガレや岩場では時々分からなくなってしまいますので見当を付けて進むとまた踏み跡らしき物が現れます。 


 左から3峰、2峰、1峰だったでしょうか。

2峰を過ぎると1峰とのコルの手前に40mくらいの壁があり途中テラスがあるので2回懸垂をして下りましたが岩にロープが挟まり少し手間がかかりました。また浮き石も多いので下に人がいる場合は気をつけなければなりません。 コルからガレと岩場を越えると明神岳1峰に7時10分到着しました。ここまで来ると前穂高にいる人達が見えます。  進むには先ず20mくらいの壁を下りなければなりません。5mくらいクライムダウンしてスリングのかかった岩を見つけそこから懸垂で下りました。ここからが意外と長くガレや岩場を越えながら前穂高に近づきます。前穂高からの声が少しずつ大きくなってきますが山頂はなかなか近づきません。 ルートを探しながら岩コブをいくつか越えて明神岳1峰から2時間かかってやっと9時20分賑わう前穂高の山頂に着きました。 前穂高から見た明神岳の稜線。後ろは霞沢岳あたり。 山頂には15人くらいの人達が景観を楽しんでいます。しかし気温も上がり日陰もないので少し休んで岳沢に下りました。登ってくる人、下る人で夏の賑わいを感じます。岳沢の小屋に着くまでの急な下りは体にこたえますが飲む水も無くなってしまったので我慢して下りました。 小屋に到着してタップリ水を飲みコーヒーを沸かして残った食糧を食べました。小屋からの下りは道も易しくなり風穴の所で一休みして上高地に14時50分下山しました。   河童橋から小梨平らの風呂に直行。サッパリして上高地のバスターミナルに向かうとターミナルは人、人でいっぱいになっていました。バスの整理券をもらうと18時のバスまで待つしかないと言う事で2時間ほど持って来た文庫本を読んで待ちました。結果的には20時の「あずさ」に間に合い、混み合う時間帯ではなくなっていたので楽に帰ることが出来ました。自宅には23時帰ることが出来ました。 家族から山岳会の方から電話が入っていると知らされ会の代表に電話を入れて下山の報告をしました。夕刻より携帯には下山連絡が無いと言うことで皆さんから何度も電話が入っていたのですが携帯をザックに入れたままで見る事もしなかったので皆さんにご心配をかけてしまったようです。 今までは帰宅してから仲閒に下山のメールを入れると言った習慣になっていましたので入会早々の失敗です。 このあたりは意識を変える必要に感じる山行になってしまいました。

報告:村上

黒稜山岳会

~ 遥かなる山の頂を目指して ~ 縦走、岩、沢、、雪稜、オールラウンドに活動。 当会では、新入会員を随時募集しています。 ご興味のある方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。