白峰南嶺北部と白峰三山縦走

【日程】

2018/10/20-23

【メンバー】

村上靜志 中山憲一(記録)

登山を始めて6-7年、これまでは週末2日で行けるところを探す登山スタイルで、軽量、スピードハイク、山小屋泊が中心だった。山の幅を広げたくて今年のGWにテントを購入。1度雲取山で使ったが、夏場や連休などテン場が混雑する時期しか行くことができず、あまり条件のよくない場所や、風雨の強い日のテントの張り方に自信がなく2度目の登場を待っていた。また長期縦走の際の食糧計画も不安材料。

冬の乗鞍岳に行った際に、テント購入の件で相談に乗ってもらった村上さんにテン泊山行のお願いをしたところ、快く引き受けていただき白峰南稜の笹山、広河内岳から池の沢池へ行って戻ってくるピストンの計画。最終日の行程がやや長めだが、地図上は破線のため、事前にはコースタイムが分からず、ヤマレコでも軽量ハイク組の情報しか手に入らず。

金曜の夜、5時の終業と同時にすべてを投げ出し帰宅し、8時の新宿発にかけ乗り、その晩は身延線下部温泉駅(無人駅)のベンチに泊まる。山を始めてからどこで寝るのも平気になった。

翌朝バスで奈良田まで行き、9時に出発、登山口から笹山東尾根に取り付き東尾根2.350mあたりにテントを張る予定。ヤマレコでも急登と書いてあったが、踏み後のある程度の登山道でテントや2日分の水を担いでの上りは結構アキレス腱が伸びる。しかも8月の後半以降天候不順な週末が続き、全然歩けていないし。

最初の3時間を過ぎたころから、重いザックがじわじわと。なんで村上さんこんなに元気なの―。荷が重いと後からじわじわとくるとのアドバイス。その通り!!!

午後1時頃、2.100mあたりであられ混じりの雨。テント1張りできるスペースがあり、ここに幕営することに。晩は自分が食当でお決まりの白湯スープの肉鍋。鳥と豚600g担いできたけど、重かったー。でも鍋は水を使うので、水場が少ないコースではやめた方がいいということも教訓。翌日以降、ずっと水の量を気にする羽目に。

二日目。まずは昨日登り残した急登200mから始まるが、思ったより長い道のり。

軽量日帰りハイクの人達数組が追い抜いて行きます。9時半にはうっすらと雪の積もった笹山山頂2.717mに。

笹山から広河内岳までは登山者のいない樹林帯。結構雪がついていて、急なくだりは滑るし、ハイマツの中をかき分けて進むときにでっかいザックが枝に何度も引っ掛かり、歩きづらいのに、村上さんは歩き慣れていてスイスイといく。

脚を引っ張ってしまい、時間が予定よりかかってしまったため、翌日池から広河内岳に登り返し笹山を経由して奈良田の最終バス時間まで帰ることが出来るか疑問が。池は諦め広河内岳往復とし笹山に戻るか、またはそのまま北上して白峰三山を越えて広河原に下山するか相談し、天候も良いので白峰三山を越えることに。農鳥岳小屋に行けば水があるし、途中は雪を水筒に詰めて、凌ぎました。3時過ぎ広河内岳2.895m到着。

大門沢分岐にテント場があったので幕営。夜は村上さんこだわりのチーズを使ったチーズフォンデュ。おいしくいただきました。

一晩中風は強かったけれど、誰もいない山の満点の星は素晴らしかった。

三日目は5時30分出発。日の出を見ながら農鳥岳3.025mに到着。農鳥岳以降は北岳まで稜線歩きと予想していたものの、農鳥から西農鳥までは結構激しい昇り降りが続く。山と高原地図からはこのアップダウンは読み取れない。昨日までの落ち葉のついた山道とは違い、足場がしっかりしているので歩きやすい。ただ、ところどころ雪はかなりついているので、岩場は手のホールドや足場に注意しながら進み、3000m峰21座の中で登れていなかった西農鳥岳を7時に踏むことが出来た。

3か月前に登ったばかりの間ノ岳3.189mもこちらから見ると別の山のように端正な山容。途中、羽が白く生え変わるライチョウ三羽に遭遇し、しばし休憩。白いライチョウは初めて!!!

ここからの登り返しは、一仕事ではあるが、脚が惰性で動くようになってきていたので9時45分ごろ難なく踏破。360度雲一つない空、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳、すべてが遠くまで見通せる冬の空気。3か月前は雨の中の山行だったが、今回は極上の稜線歩き。昼前に北岳山荘に到着しビールを飲み干す。

八本歯のコル経由で下る予定でいたが、絶好の天気とビールの恍惚感から、もう少しこの景色を味わうことにし、北岳を越えて肩ノ小屋まで行って宿泊することに。急登の雪道を登って北岳3.193mに到着。今回一番難儀したのがこの後、北岳肩の小屋までの下り。結構な急斜面にしっかりと雪がついているのにアイゼンなし、ポールも間ノ岳のあたりで壊れていたので、へっぴり腰も恐れず慎重に。ここでも村上さんは慣れた足取り。

冷や汗もので肩の小屋に到着。宿泊者は10人程度ではあったが、和気あいあい。

四日目。あとは下るだけ(人生のことではナイよ‼)。途中白根御池小屋で500円のインスタントコーヒーを味わい、南アルプスのおいしい水を水筒につめて、昼に広河原に到着。3泊4日はこれまでで最長の山行となりました。村上さんありがとうございました。                  

記録:中山

黒稜山岳会

~ 遥かなる山の頂を目指して ~ 縦走、岩、沢、、雪稜、オールラウンドに活動。 当会では、新入会員を随時募集しています。 ご興味のある方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。