【日程】2019/09/14-17
【メンバー】L他、浅原、他1
【レポート】
地味ながらもしつこい布教活動が功を奏しガンガラシバナに同行していただける仲間ができました。山行&沢隊長はゴン師、登攀隊長にH 師、私といえば炊飯班長といったところでしょうか。言いだしっぺの私に忖度してくれたのか、ガンガラシ登攀~割岩沢の周回コースでなく、ガンガラシ取付き付近にベースを置き、ガンガラシを2回登攀するという計画でした。むむむ。ネットで調べまくり経験者に聞きまくり、いつになく予習に精を出しました。さてどうなりましたやら。
9/13(金)
20 時久喜駅集合し東北道北上。磐越道を乗り継ぎ、仮眠は西会津の道の駅。外気は19℃でテントを張ったがシュラカバーだけでは非常に寒い夜だった。
9/14(土)晴れ
5 時起床。13℃寒い。一ノ又橋にはすでに3 台の車2 パーティ5 人がいた。この山行、今早出沢へ降り立つまでの一ノ俣越えが核心ともいえる。藪に埋もれた不明瞭な径、いくつもの枝沢。スムーズにコルに立ちアカバ沢を拾い今早出沢に出られるか不安を抱えながら7:20 出発する。
一ノ又橋から杉林に入り一ノ俣沢右岸を行き、赤テに導かれ左岸に渡る。径が拾えなくなったら沢通しで行く。一ノ俣沢は大きな滝を3 つほど有した沢になる。そのどれも易しかったり巻径がある。沢の上流はやや径が分かりづらくなるが虎の巻のおかげで順調にコルに出た。コルから反対側の踏み跡を大きくトラバースしながら下る。赤テも要所にある。やがてアカバ沢に出て下ると白いナメとなり10:48 今早出川と出合う。ここの快適テンバには釣師2 人がいた。なんとかスムーズに一ノ俣越えをクリアできて安心した。今早出沢は広い河原で真夏の陽射しが差していた。暑くてクールダウンするには最適な水温で積極的に水につかる。30m淵ではわずかに泳ぐ。横滝は少し戻り右岸から巻いた。滝の上は広い河原になっていた。ミニ横滝も右岸巻き。広い河原となりイワナも泳いていたので本日のテンバとし14:10 行動終了。
タープを張り、薪を拾い集め、ビールを冷やす。いつもの沢の夜が来た。空を見上げると星が瞬き、かつて天文部だったというゴン師がベガだのなんだの説明してくれるがミギカラヒダリ。深夜、満月で明るい夜だった。
9/15(日)晴れ
5:34 いよいよガンガラシアタック。不要な荷をテンバにデポ。沢が開けてきて目の前に岩の壁が広がってきた。浸食で荒々しい岩壁に朝日が差してきて陰影が美しい。
6:03 ガンガラシバナ直下で二俣となり、左は一筋直線的な魚返しの大滝、右は右方ルンゼ(仮称)と呼ばれている。威圧的な大岩壁に一条の水流。高さ200mを越すすり鉢状の底に今いる。この地に立ちこの景色を見るのを長いこと憧れ続けていたが、いま立てていることにとても嬉しくて言葉にならない。この景色だけでも大満足だけど、登攀するんだよね。ド緊張。すでに1 ピッチ上部には2 人パーティがいて、私たちの隣にはT の風3 人パーティ。下流には3 人パーティと2 人パーティが控えていて今日のガンガラシは大賑わいだ。H 師はクライミングシューズに履き替え、ゴン師と私はラバー沢靴で臨む。
6:50 さあ、大スラブ壁へ! リードはH 師。50mロープ2 本を引き、ブッシュで支点をとる。その後、ゴン師と私が同時登攀。
ガンガラシの顕著な水流を3P 目で渡り水流右のスラブを登攀した。岩質は乾いていてフリクションはいいが傾斜がありなにせ高度感はハンパない。次の支点を取るまで絶対落ちれないという心理的にタフな登りになるがそれをすべてH 師がリードした。登りは全部で6P くらいあったろうか。下降に使う左岸尾根を目指し右に斜上しながらルートをとる。
10:00 左岸尾根に乗った。左岸尾根は見た目以上にアップダウンがあり藪と露岩の細尾根だ。情報では、ブッシュ伝いに降り最後の2P 懸垂、とのことだがうーん厳しそう。結局、安全第一で懸垂でつなげた。陽ざしが強く水の消費量も激しい。私は途中で貧血の兆しを感じたがH 師の疲労も激しそう。登りではずっとリードだったからね。尾根はまだまだ続く。尾根の右下は白いスラブだがブッシュがところどころ出ていた。うまくそれを拾うことができれば河原に降りられそうだ。 スラブの末端まで見下ろすことはできなかったが尾根を離脱しスラブを降りることにした。果たして、2P80mくらいですり鉢の底に降り立つことができた。
13:40 終了。 よかったねー!!ガンガラシバナ登攀無事終了。握手にも力が入った。 感激で鼻の奥がツンとした。見るだけでも充分だったのに、好天の中(いささか暑すぎたが)登攀ができて本当に嬉しかった。忘れられない山行になった。
登攀を終えて明日もう1 回登攀という計画だったがもうおなかいっぱい。懸垂で捨て縄もだいぶ使ってしまったし、天気も明日から崩れ気味だ。というわけで明日下山することとした。H 師が少し熱中症気味なので昨日のテンバに泊まることとした。
14:40 テンバ着。タープを張り直し、薪を集め、ビールを冷やした。H 師は1 時間ほど横になり元気を取り戻した。安心した。まんまるなお月さんも祝福してくれてる。
9/16(月)
曇りの朝。朝食を済ませ、5:57 出発。
今日は曇りのせいか水が冷たい。横滝を巻き、30m淵をちょっとだけ泳ぎ順調に下降していった。
滝に大木がひっかった釜があって、こんな滝あったかなあ、と思いながらゴン師は大木をくだりおり、私も大木を伝って最後に釜に飛び込んだ。アカバ沢の出合の川原になかなか着かず、GPS を見たらなんと600mほど通り過ぎているではないか?! なんと! 大木の釜でGPS を見ればよかった。ぼんやりしていました、反省。
引き返し9:50 アカバ沢出合着。沢を遡行し、赤テから径をたどりコルに11:20 到着。付近の山にガスがかかって今にも雨粒が落ちてきそう。虎ロープで降り、滝を懸垂で降りた。ラバーが滑って何度も転んだ。杉林から径を拾いながら歩き13:50 一ノ又橋に出た。終了!感動で泣きそうになりながら握手。
今晩は、五泉市の馬下温泉保養センターに泊まることにした。1 部屋6000 円+ひとり500 円の入館料。温泉、布団、自炊場、乾燥機付き洗濯機、テレビ有りの充実の宿だった。
9/17(火) 帰京。
会心の山行となりました。早出の奥の奥に秘められた大岩壁・ガンガラシバナの大スラブを3 匹のアリンコがちょっとずつちょっとずつ登って登り切りました。 スケールの大きく美しい大スラブにまた行きたい。
記録/浅原
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