小川山屋根岩3峰南稜レモンルート(5P 5.9)

≪ オンサイトを狙う方は、読んではいけません!! ≫

【日程】2019年10月27日(日)
【メンバー】I、T、F
【レポート】

台風19号の影響で通行止めになっていた中央道が開通したので、日帰りで今年最後の小川山を目指した。メンバーは、小川山マルチピッチの定番『セレクション』を登った新人FさんとベテランTさんである。

『セレクション』の次のマルチピッチルートとして、『南稜レモン』を計画した。3P目のワイドクラックが核心で、なんとも面白そうである。私自身このサイズのクラックは経験がないが、是非とも登ってみたくなり、全ピッチリードさせていただくことにした。

アプローチ

廻り目平に到着すると、今年は少し遅いのか素晴らしい紅葉である。岩場へのアプローチは、台風の影響で少し荒れているが、幸い崩落箇所はない。4峰方面に行き過ぎたが、少し戻って無事取付きに到着。『JMCCルート』を登っている2人がいたが、幸い我々が目指す『南稜レモン』には誰も取付いていない。

1P 5.7

出だしが濡れていたが、階段状で慎重に登れば問題ない。25mのピッチだがボルトは1本だけ、右のクラックにカムを決めることが出来る。

2P 5.8

2P目のビレイポイントまで上がると、展望が開け眺めがよい。ここから『南稜神奈川』と別れて、右にトラバースする。ノンプロテクションの高度感のあるトラバースだが、一歩思い切って立ち込めば、すぐ大きなアンダーフレークに手が届く。クラックとブッシュに支点を取り、易しい凹角を直上してしっかりとした木を3P目のビレイポイントとする。

3P 5.9

いよいよ核心のクラック。オリジナルルートは、このクラックを登らず直登しているが、それではここに来た意味がない。

下部のハンドクラックをレイバック気味に登って、中間のボルトに到達。ここから上が有名なワイドクラックである。オフウィドスというよりスクイーズチムニー。何度かトライするがどうしても登り方が見出せない。カムは潤沢にあるので、人工で登れないことはないが、何としてもフリーで登りたい。結局、ワイドクラックだけで登ることは断念、一度外に出て左側にあるクラックのフレーク状のヘリを使って少し高度を上げ、再び元のワイドクラックにキャメロット4番を決めて戻る。これを決め損ねるとかなりの墜落になってしまう。

ここから膝、背中と全身を使って、ずり上がり左手のジャミングが決まるところまで頑張る。最後は出口のガバを掴んでビレイポイントに這い上がった。

日頃、ワイドクラックを登ることもないので、後続の二人もやはり苦労している。後から冷静に考えれば、別のムーブも思いつくのだが、やはりいきなり本番は難しい。

4P 5.6

チムニーのような溝を少し登り、少し歩く。更に脆く細かいホールドのフェースを登って、50m目いっぱいロープを延ばす。

5P 5.6

最後に脆い短いフェースを登ると3峰頂上に到着。5P目は右からクラックを直登して頂上に至ることも可能。

頂上からは、紅葉の廻り目平、2峰『セレクション』の終了点が遥か下に見え、『ジェットストリーム』のダイクも確認できる。

反対側は紅葉の4峰、5峰方面がまさに絶景。素晴らしい景観である。『南稜神奈川』、『南稜レモン』を登った場合は、是非3峰頂上まで登ることを薦める。達成感が得られるはず。

下降

40m、50mと懸垂2回で、取付きから右上に登ったところの岩小屋に降りることが出来る。

帰りに寄ったソラマメでは撚れてしまい、なにも登れなかったが、満足いくクライミングで今シーズンの小川山納めとした。同行いただいたTさん、Fさんに感謝する。更にクラックを登り込み、瑞牆、不動沢を目指そう。

ギア:キャメロット 0.5~4番 1セット+1番,2番 各1

5番は持参したが、使用しなかった。

所要時間:2時間30分

記録/I

黒稜山岳会

~ 遥かなる山の頂を目指して ~ 縦走、岩、沢、、雪稜、オールラウンドに活動。 当会では、新入会員を随時募集しています。 ご興味のある方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。