【日程】2019/11/02
【メンバー】I、T、F
【レポート】
小川山の『セレクション』、『南稜レモン』に続く、次のフリーマルチピッチルートとして、『二子山中央稜』を登ってきた。石灰岩特有の掛かりのよいホールドで快適に登れる人気ルートである。私は昨年同時期に登っており、これが2回目。以下のグレードは私の感覚である。
アプローチ
人気ルート故、いつもの通り一番に取付くべく早朝に出発する。メンバーの自宅周辺を巡回してピックアップ、暗い内に秩父を目指す。祠エリアに荷物をデポして取付きに行くと、既に先行パーティが1ピッチ目を登っている。どうもリードはお父さん、ビレイは息子さんのようである。
1P 5.6
少し順番待ちをした後、まずFさんがリードでスタート。少し考えつつも危なげなくピナクルテラスに到達。Tさん、Iがフォローする。ここは日当たりのよいテラスである。
2P 5.7
次のビレイポイントはテラスらしいテラスではなく、オーダを変更するのは面倒なため、ここでIにリードを交代する。右の凹角からも登れるが、左から大穴を拾って登る方がよく、しっかり掛かるガバやカチのホールドで、適所にボルトがある。途中、右に行かないと難しいので要注意。ハングに頭がつかえると左手にビレイポイントが見える。
3P 5.8
ここで順番待ちとなる。1年前の11月に登った時も天気は良かったのだが、このビレイポイントと3P目は、日陰になり非常に寒かった。今回はフリースを持参してきたので、1枚着込んでのんびり待つ。下の二人には日当たりのよいピナクルテラスで待ってもらう。
先行パーティのセカンドに学年を聞くと、少学5年生とのこと。お父さんによれば、本人がマルチのルートに行きたいというので連れてきたらしい。
このピッチは、ほぼクラック沿いに登るが、核心部分は右壁の細かいホールドをよく見て拾う必要がある。カムは使わなかったが、ボルトやハーケンの間にセットすると安心。
凹角沿いに登りきると、大テラスである。
4P 5.6
大テラスは大勢で泊まれそうな広さで、日当たりがよくのんびりしたくなるが、休まずに先行パーティを抜かさせていただく。ここからはあまり難しくないが、ロープの流れに注意してダブルロープを振り分けていく。
5P 5.6
途中ビレイポイントがあるが、ロープの長さに余裕があり、どんどんロープを延ばしていく。ロープの流れが悪くなる手前で一度切り、石灰岩ならの岩穴にスリングを通してビレイポイントを構築する。
6P 5.5
少し登ると正規のビレイポイントがあった。ここから上の最後のピッチ(7P)は、ほぼ歩きのため、フォローの二人にはそのままロープを引いて終了点まで登ってもらった。
下降
一般登山道を下ることも可能だが、『上級者コース』と呼ばれる登山道?を、半分クライムダウンしながら下り、股峠を経由して祠エリアに戻る。かつて、この『上級者コース』にあった鎖は全て撤去されている。ハイカーも登っているようだが、十分注意する必要があるだろう。
当会でクライミングをする者は、殆どこのルートを登っていると思われるが、今後新人が入って挑戦してくれることを期待して、記録を残しておく。
・核心は3ピッチ目5.8。当然だが、このグレードが目いっぱいでリードトライするのは少し無理がある。5.9がオンサイトできるぐらいになってから挑戦したほうがよい。
・核心の3ピッチ目とそのビレイポイントは日陰で、晩秋の時期だと非常に寒い。順番待ちになることも想定して、防寒の備えがあるとよい。
・このルートをフリーソロしている動画がネットにアップされており、ルート全体を俯瞰して把握することができる。オンサイトに拘らないのであれば、ルート取りやホールドなど、特に経験の浅い人にとっては、事前の予習に有効だと思う。
ギア:ロープ50mダブル、ヌンチャク、スリング、キャメロット1~3番1セット
ロープの流れを考慮するとダブルで登った方がよい。今回もよい天気に恵まれ、気持ちよくフリーのマルチピッチルートを楽しめた。翌週は『子持山獅子岩』である。城山、太刀岡山とまだまだ続く予定(来春?)なので、乞うご期待。
記録/I
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